2007.09.10  

構造用パーティクルボード市場に本格参入
野地板「ルーフ ベーシック 」を発売開始

 永大産業(本社:大阪市、社長:吉川康長)は、これまでパ―ティクルボードの生産を通じて、木質廃材のリサイクルを推進してきましたが、地球温暖化防止に向けなお一層、温室効果ガスの固定化が求められるようになってきたことから、住宅部材向けパーティクルボードの新しい用途開発が不可欠と判断。昨年春、社内でパ―ティクルボードの構造材市場への参入を決定しました。

 その後、新製品発売に向け研究を重ねてきたところ、今年に入り性能的に構造用合板と同等以上の構造用パ―ティクルボードの開発に成功。今月から「ルーフ ベーシック」の商品名で、本格的に市場への供給を開始することになりました。

 当社では「ルーフ ベーシック」を安定供給可能な環境配慮型商品と位置付け、まずは西日本エリアをターゲットに、野地板としての拡販を目指します。

さらに将来的には「ベーシック」シリーズと銘打って、耐力壁や床下地材の商品化も視野に入れています。

 

(事業の背景と狙い)

 地球温暖化問題に対しグローバルな取り組みが行われていますが、最新の調査によると、そのような取り組みを現状よりさらに推し進めなければ、今世紀半ばには生態系にとって極めて深刻な状況になると言われています。

 当社は、昭和44年からパーティクルボードの生産を通じて、いち早くマテリアルリサイクルに貢献し、平成4年からは木質廃材を100%原料に用いることで、温室効果ガスの固定化に寄与してきました。

 しかしパーティクルボードは、耐水性や寸法安定性といった物性面で合板に及ばず、また特に我が国では半世紀以上もの間、ラワン材や北洋材をはじめとする合板用の原材料が、安価で大量に入手できた経緯もあり、今日のような南洋材の合法性証明といった環境問題や、北洋材の原木関税引き上げが取りざたされるようになるまで、常に合板の後塵を仰いできたのが実情でした。

 一方、国内市場に目を転じますと、パーティクルボードの主要な仕向け先だった家具・木工、弱電関係の需要が海外移転により空洞化し、新たな需要の掘り起こしは近年、メーカーにとって重要な課題となっていました。

 そこで当社は、地球温暖化防止を推進し、かつ新規の需要を開拓していくためには、パーティクルボードに合板と同等以上の性能を付与し、住宅部材としての拡販を行うことが最も効果的であると判断。構造用パーティクルボードの開発に着手し、実用化に向けて研究に取り組むとともに、価格、供給両面の安定化に向けて、社内体制の整備に努めてまいりました。

 

(新商品:ルーフ ベーシックの概要)

仕様:厚み12mm、標準寸法910×1,820mm、18M F☆☆☆☆

 

 新商品「ルーフ ベーシック」は、強風や地震に対して優れた屋根構造とするため、釘の保持力(釘引き抜き、側面抵抗、釘頭貫通)を高めました。

 また耐水性と滑落防止のための摩擦抵抗力は、合板と同等(OSB以上)の性能を確保しました。

 なお、曲げ強度(たわみ)に関してのみ、構造用合板やOSBに若干劣るものの、すでに市販されている構造用パーティクルボードと比較して、同等以上の性能を保持しています。

 

(新商品:ルーフ ベーシックの概要)

 

ルーフ ベーシック

構造用合板

OSB

曲げ強度   N/(平方ミリメートル) 21 52 46
曲げヤング率 N/(平方ミリメートル) 3,500~4,000 3,900~4,700 2,800~5,300
釘引き抜き  N
側面抵抗   N
釘頭貫通   N
740
1,830
1,700
630
2,060
1,790
360
1,810
1,450
吸水厚さ変化率(中央)% 4.9 3.3 9.0
静止摩擦係数(表面)μs 0.51 0.51 0.46
 

 当社調べ。曲げヤング率を除き数値は平均値、木口処理を行った上で測定。サイズは全て3×6判 (12×910×1820㎜)。釘引き抜き、側面抵抗、釘頭貫通は、CN50使用時での数値。

 

(今後の展開)

 「ルーフ ベーシック」は山口・平生事業所で生産します。当面は西日本のビルダーやハウスメーカーへの営業を通じて、月間500トンの販売を目指します。2年後の2009年度には、生産量を月間1000トンまで倍増させるとともに、将来は「ベーシック」シリーズと銘打って、耐力壁や床下地材なども商品化していきたいと考えています。

 

野地板ルーフベーシック

 

この件に関するお問い合わせ先
永大産業株式会社パーティクルボード事業部
電話:06-6684-3096
FAX:06-6684-3094

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