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2022.11.18 ニュースリリース

木質化粧板の製造方法で地方発明表彰 発明奨励賞を受賞

 公益社団法人 発明協会(内山田竹志会長)の主催する「令和4年度 地方発明表彰」で、永大産業株式会社(本社:大阪市、社長:枝園統博)の木質化粧板の製造方法に関する技術が「発明奨励賞」を受賞しました。

「地方発明表彰」は大正10年から始まった伝統ある表彰事業で、同協会が毎年、北海道から九州まで全国を8つのエリアに分け、優れた発明や意匠について顕彰しています。

 今回受賞したのは、2014年に特許出願を行い、2018年に登録された木質化粧板の製造に関する当社の独自技術で、フローリングの生産における接着の作業を容易かつ迅速化することが優れた点であると認められました。

受賞した技術の詳細

 従来、化粧複合板(フローリング)を製造する過程では、下記の工程が必要でした。

①ベースとなる合板の表面にロールコーターで接着剤を塗布する。
②接着剤が塗布された①の上に木質繊維板(MDF 当社呼称「タフテックベース」)を置く。
③タフテックベースが置かれた②を圧締固定する。
④圧締固定された③を次の工程へ搬送する。
⑤次の工程に運ばれた③の表面にロールコーターで接着剤を塗布する。
⑥接着剤が塗布された⑤の上に表面化粧材(ツキ板)を置く。
⑦ツキ板が置かれた⑥を圧締固定する。
 

 低コストで効率よく化粧複合板を製造するためには、③の圧締固定の工程と、そのあとの⑦の圧締固定の工程を1回の圧締工程での製造方法が望まれていました。しかしながら、そうすると①の工程で塗布された接着剤が硬化する前に⑤のロールコーターを通過するので、②の繊維板の位置がズレる恐れがあり、一度ズレるとそれを修正することは難しいことから、現実的には不可能でした。そこで当社では試行錯誤を重ね、①と⑤で使用する接着剤の成分や粘度、塗布量を調整することで、③の圧締固定のなくして⑦の圧締固定1回だけでも繊維板の位置がズレることなく、効率よく製造する方法を見出しました。

<ご参考>

フローリングの断面図

令和4年度地方発明表彰 受賞者一覧

公益社団法人 発明協会のホームページに移行します。
http://koueki.jiii.or.jp/hyosho/chihatsu/R4/jusho_kinki/index.html

知的財産に対する当社の考え方

 企業にとって特許権、意匠権といった知的財産はいわば矛と盾の役割を果たすものであり、当社でも経営戦略上、そのような権利の取得を重視しております。

 発明協会が全国規模で実施している「全国発明表彰」、そして地方ごとの「地方発明表彰」でも、木質建材に関する発明が受賞の対象となるのは極めてまれであり、今回、当社の木質化粧板の製造方法に関する技術が評価されたことは、知的財産の保全・管理を重視し、独自技術の向上に取り組んできた結果であると受け止めております。

今後の取り組み

 当社では競争力の強化を図る狙いから、この表彰を機に、より一層技術開発に力を入れ、権利の確保に取り組んでまいります。今後もよりよい住空間を創造するため、安全・安心なものづくりに努めてまいります。

<問い合わせ先>
永大産業株式会社 事業管理部 広報課