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2022.11.30 ニュースリリース

グリーンローンによる資金調達を実施
ENボード株式会社

 永大産業株式会社(大阪市、社長:枝園統博)と日本ノボパン工業株式会社(大阪府堺市、社長:山本 拓)との合弁会社である、ENボード株式会社(=エンボード、静岡県駿東郡小山町、社長:高橋 真)では、パーティクルボード製造工場の建設資金について、環境改善効果のある事業に限定した「グリーンローン」で調達することとし、11月30日をもってこれを実施いたしました。

 本ローンは、工場建設資金220億円(土地取得金額を除く)のうち、永大産業株式会社が保証する143億円(65%)の調達を対象とするものであり、りそな銀行をアレンジャーとするシンジケートローンです。
 

 ENボード株式会社では、利用エネルギーを変更し、化石燃料ではなく木質バイオマス燃料を用います。さらに当社での従来の多段式プレス方式から、最新の連続式プレス方式へと生産方式を変更することによって、生産時のロスを抑制します。これらの効果から、同社が本格稼働した場合、従来と比べて年間7,600t-CO2の温室効果ガス削減(環境改善効果)が見込めます。

 また、永大産業グループでは、中期経営計画の中で「木質ボード事業の強化と拡大」および「SDGsの取り組み」を掲げておりますが、これらは相互に関係し、木質ボードの生産に伴う未利用材の有効活用や木材資源の循環利用、さらに南洋材からパーティクルボードへの原材料転換は、長期的に見てSDGsの目標達成に寄与する施策といえます。

 こうした取り組みをふまえ、「グリーンローン原則2021」及び「環境省グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2020年版」の「グリーンローンに期待される事項」に適合していることについて、株式会社格付投資情報センター(R&I)から第三者評価(セカンドオピニオン)を取得し、「グリーンローン」での資金調達が可能になりました。
 

 永大産業グループでは、ENボード株式会社における木質ボード事業(パーティクルボード)を通じて、より一層「SDGsの取り組み」を推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

本ローンの概要

 今回実施するグリーンローンの概要は次の通りです。

契約締結日 2022年11月25日
アレンジャー/エージェント 株式会社りそな銀行
組成金額 143億円
借入期間 2022年11月から2037年11月までの15年間
資金使途 パーティクルボード生産工場の建設資金
評価機関 株式会社格付投資情報センター(R&I)

環境改善効果

 ENボード株式会社がパーティクルボードを生産することによる「環境改善効果」は、以下を想定しています。

連続プレス方式による生産効率向上・利用エネルギー変更に伴うCO2排出量の削減

①生産方式を多段式から連続式へと変更することで、生産工程におけるロスが減少し、たとえば当社の従来の多段式と比べてENボード株式会社の連続式では、年間7,600t-CO2の温室効果ガス削減(環境改善効果)が見込めます。
 

環境改善効果 = ( A - B ) × C
A:旧式(多段プレス式)における CO2排出量原単位※1 (t-CO2/パーティクルボード製造t)
B:新式(連続プレス式)における CO2排出量原単位※2 (t-CO2/パーティクルボード製造t)
C:新式(連続プレス式)における パーティクルボード製造量 (t/期間)
 

※1 旧式の数値として当社のパーティクルボード工場の実績値(過去3年平均)を採用します。
※1※2 CO2排出量は「省エネ法」に準じた算出を行います。
(ご参考)環境改善効果の試算
A:既存工場のCO2排出量原単位 0.265
B:当該工場のCO2排出量原単位 0.107
 (当該工場と生産方式・生産商材が同一である別工場の実績値より)
 

当該工場における当初の生産量を48,000t/年(= C、既存工場の実績値)とした場合、
( A - B ) × 48,000 ≒ 7,600 t-CO2/年 の温室効果ガス(CO2排出量)削減となります。
なお、このCO2排出削減量に関しては、後述の「レポーティング」に基づき開示いたします。
 

②利用エネルギー(ボイラー)は化石燃料ではなく木質バイオマス燃料を使用します。
③南洋材を用いたフローリングの基材が合板からパーティクルボードに置き変われば、東南アジアの森林資源の保全につながります。

  • 環境に配慮したバイオマスボイラー
  • 連続プレスによって生産ロスを減少

SDGsとの関連性

ENボード株式会社における木質ボード事業のSDGsへの貢献は次の通りです。

ゴール SDGsターゲットと関連する理由
・木質ボード事業における未利用材、端材、建築解体材などの有効利用と木材の循環利用
・南洋材からパーティクルボードへの移行、推進
・生産方式を多段式から連続式へと変更することでCO2排出量原単位を削減

資金調達の管理

 ENボード株式会社が管理規程に基づいて、適切な管理を行います。

レポーティングについて

 ENボード株式会社の調達時レポートと年度レポートは、永大産業株式会社のホームページで掲載いたします。

フレームワークの作成および第三者評価(セカンドオピニオン)の取得

 今回の取り組みにあたっては、ENボード株式会社が2022年11月17日にグリーンローンフレームワークを策定しております。本フレームワークが「グリーンローン原則2021」及び「環境省グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2020年版」の「グリーンローンに期待される事項」に適合していることについて、株式会社格付投資情報センター(R&I)から第三者評価(セカンドオピニオン)を取得しております。

 第三者評価(セカンドオピニオン)の詳細については、こちらを御覧ください。

 URL : https://www.eidai.com/news/backnumber/pdf/221130news_release.pdf

今後の展開

 当大産業グループでは、ENボード株式会社における木質ボード事業(パーティクルボード)を通じて、より一層「SDGsの取り組み」を推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

<問い合わせ先>
永大産業株式会社 事業管理部
電話:06-6684-3062