永大産業株式会社（社長：吉川康長）では、住宅内での転倒時の衝撃を吸収する新しい木質フローリング「セーフケアダイレクト」を開発、子どもや高齢者にやさしいフローリングとして、今春５月に発売いたします。

　本製品は、マンションで広く普及しているコンクリート床（スラブ）に直接施工する直貼り工法タイプで、裏面に貼った特殊緩衝材が転倒時の衝撃を和らげ、安全性を高めます。
　接着施工用だけでなく、両面テープ施工用の製品もラインナップ。両面テープがあらかじめ裏面に貼付されている製品を使用すれば、施工後の接着養生が不要なため、施工当日の入居も可能です。
　表面化粧には厚みのあるEB硬質フィルムを採用し、すり傷や磨耗に強く、キャスター付き家具や車イスの使用が可能です。 また、汚れが拭きとりやすくお手入れが簡単なワックスフリー製品です。
　主な販売先は、介護保険施設や老人福祉施設をはじめ、グループホームや高齢者専用賃貸住宅です。 併せて、ハウスメーカーなど一般住宅にも販売を予定しております。

●製品名

セーフケアダイレクト

■主な特長

転倒時の衝撃を吸収する”人にやさしいフローリング”
◆転倒時の衝撃吸収性能を持った直貼りフローリング
◆歩行感がよく、疲れにくい
◆車イスやキャスターなどに強い
◆油や汚れ、すり傷や摩擦に強くお手入れ簡単
◆省施工で改修工事にも最適な直貼りタイプ
（接着施工用だけでなく、両面テープ施工用の製品もラインナップ）

■安全な床の考え方

　家庭内における不慮の救急事故の約半数を転倒が占めており､その発生場所は居室と廊下が約80％と大多数を占めています。※1　
　転倒しやすい環境として「つまずきやすさ」や「すべりやすさ」があり、設備的な予防対策として段差の除去や手摺の設置、防滑性能の付与などが実施されていますが、完全に防ぐことはできません。 万一、転倒したとしても重大なケガをしにくい床の設置が必要といえます。

（※1　東京消防庁調べ）

■安全な床の基準

　一般に床に対する衝撃の度合いは、人間の頭部をモデル化した装置（ヘッドモデル）を落下させ床に衝突した時の加速度を衝撃度Ｇとして評価する方法がＪＩＳ（日本工業規格）で定められており※2、体育館床の硬さは高さ200mmからの衝突時で100G以下と規定されています。

（※2　JIS A 6519［体育館用鋼製床下地構成材］の床の硬さ性能試験）

　これまでも上記のＪＩＳ規格をクリアする床材はありましたが、当社ではさらに安全性を高め、200mmからの衝突時で60G以下と設定しています。 加えて、転倒によるケガは大腿骨の骨折が多いという実態から、200mmの高さの基準だけでは不充分と考え、車イスの座面高さに近い460mmで100G以下という基準も設定しています。
　これらは衝撃吸収に効果的といわれる二重床と等しく、畳にも近い数値となっています。

　前述の当社性能基準は「安全知識循環型社会構築事業創造共同プロジェクト」（経済産業省事業）での子供の転倒時の安全性向上を目的とした（独）産業技術総合研究所と金沢大学との共同研究における検証や、大阪市立大学との高齢者居住施設における衝撃吸収床材の効果確認の共同研究によりその有効性の評価を行なっています。

■衝撃吸収のメカニズム

　転倒時にかかる荷重を特殊加工を施した基材と特殊緩衝材が吸収し、硬いコンクリート面にフローリング基材が到達しないことで衝撃を緩和します。
　また、適度な硬さの特殊緩衝材を使用しているため、歩行感も良好で、自宅のフローリングそのままの住み心地を得ることができます。
（上の写真はＪＩＳ試験機の落下時の変形）

　表面化粧材にはすり傷や凹み傷のつきにくいＥＢ硬質フィルムを採用し、メンテナンスのしやすさも特徴です。
（上の写真は植木鉢を落下させた時の破損状況）

■施工性

　直貼り工法のため、新設および改修を含め、二重床のような手間をかけずに済みます。
　また、両面テープがあらかじめ裏面に貼付されている製品もラインナップしており、施工後の養生時間が不要なため、施工当日に入居できるメリットがあります。

■車イス、キャスター対応

厚みのあるEB硬質フィルムの採用で、凹み傷が目立たず表面が割れることなくキャスターつき家具や車イスなどが使用できます。
また、食器や缶などを落とした時にできる凹み傷にも強さを発揮します。

■カラーバリエーション・仕様

■発売日

2011年5月